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2021-08-23

最近のお仕事 「二度目に建てる家」

放置しすぎのBLOG。ようやく落ち着いてきたので最近のお仕事をすこしずつ綴っていきます。

Instagramには近況を気軽にUPしていますが、ブログはゆっくり時間があるときに更新することにしています。ひとつのプロジェクトが終わり、そこに注いだ熱量が落ち着いてきた時の方が、ちょうどいい温度で書ける気がするから(直後に書くと、熱い想いをこれ以上につらつら並べそう・・)

長いコロナ禍で、私たちの暮らしや家に対する価値観も大きく変わり、誰しもが影響を受けています。
ほんとうに私たちが望む暮らしはなんだろうか、必要だと思っていたものはこれからも大事にしたいものなのだろうか。。

そんな中で始まった、ある家族の家づくりは、「二度目に建てる家」でした。
30年以上のローンを組み、家を建て、そこに一生住み続ける。それが今までの「一般的な」地方都市住宅の在り方。環境も、社会も、家族の形態も変わり続ける世の中で、ほんとうに一生だと言えるのだろうか。
建築という、長寿命の不動産をつくる仕事をしながらも、いつもそんな思いを抱えていました。

このご家族の選択(最初に建てた家と土地を売却し、新しい土地で新たな家を建てる)も、これからの「スタンダードな」暮らしのひとつかもしれない。

ご家族の決断は、子供と一緒に暮らせる限られた時間を、よりよく暮らしたいという強い思いから。ご希望を伺うと、自分たちらしさやオリジナリティ、コミュニケーションと距離感、動線、収納など、どれも明快で芯のあることばかり。
それらはもちろん、一度建ててみて、実生活をしてきたからこそ、分かり、得たこと。
二度目の家をつくるのは、体力も労力もいることだけど、それだけ価値があるもの、だから楽しむ。
そんなご家族のエネルギーは、とてもまぶしいものでした。

「家は三度建ててようやく満足する」と昔から言われていますが、いつか誰かの「三度目の家」を設計してみたい。それは一体どんな家になるのだろう。二度目以上の三度目の家、わたしも体力をつけねば・・

写真は、スタイリングをさせてもらった時のもの。たくさんの人の尽力で完成した建物の写真を撮るのは、いつも晴れの日の気分。きれいにおめかし(スタイリング)をして写真と記憶に残す。
建築を人に例えるなら、成人式に送り出すような気持ちです。これからがきっと、素敵な第二幕のはじまり。